日本が世界に誇る「Made in JAPAN」の危機

Made in JAPANの洋服といえば、高品質、丁寧、信頼できるなど、ポジティブな印象を持たれる方が多いかと思います。しかし現在、そのMade in JAPANが絶滅の危機に瀕しているのをご存知でしょうか。

1990年代初め頃、約50%ほどあった衣料品の国内自給率は、2023年にはなんと1.5%にまで低下しています。繊維産業に関わる事業者数も1990年に比べ、約4分の1に減少しました。

その要因は、経営者の高齢化や若手労働者不足によるものだけではありません。


90年代以降、流行をおさえた服が安く手に入るファストファッションが流行し、洋服の価格はおよそ1/3に。人件費の安い国へ縫製工程を移管することにより、価格を抑えたのです。

激しい価格競争の中、日本の縫製工場の多くは廃業に追い込まれ、次世代へ受け継がれることなく失われることとなった技術も少なくありません。

時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、日本が誇る優れた技術が消えゆくのを見るのは悲しいものです。


Made in JAPANを守り、次の世代に残していくために、私たちは何ができるのでしょうか。


- Foo Tokyoにできること

アパレルブランドは、高品質な製品をできる限りコストを抑えて生産し、皆様にお届けしたいと考えます。

しかし、コストを重視するあまり、縫製工場に適正価格で依頼をしなければ、ただでさえ工賃が安く、人手が集まらないと言われている縫製産業はどんどん衰退してしまいます。

そうすれば、いつの日かMade in JAPANの衣服は絶滅してしまうかもしれません。


だからこそ私たちは、今もこれからも、日本の優れた技術を持つ縫製工場に適正価格で縫製を依頼していきたいと考えています。

そして、Made in JAPANの衣服の素晴らしさを、世界中の人々に届けたいという夢があります。

ありがたいことに、近年POP UPイベントを開催すると、海外からお越しのお客様がFoo Tokyoの展示ブースの前で立ち止まり、興味を持ってくださることが増えました。


私たちが作るパジャマやルームウェアは、他のアパレルブランドと比べて、決して安いものではないかもしれません。

しかし、良いモノを愛着を持って大切に使うことにより満たされる心の充足感は、安く作られたものを買っては捨ててを繰り返す消費活動では得られません。

私たちの製品を選んでくださった皆様には、心も体も満たされていく感覚を味わっていただきたいと願っています。


- 消費者である私たちにできること

私たちはアパレルブランドを営んでいますが、皆様同様、一消費者でもあります。私たちが消費者としてできることは、まず今着ているその服がどのように作られているのかに興味を持つことなのではないでしょうか。

そうすればおのずと、なぜその価格だったのかが見えてくるはずです。そしてときには、その服を安く作るために、世界のどこかで、誰かが苦しんでいるという現状が垣間見えることもあるでしょう。

「買い物は投票」という言葉があるように、生産背景を含めて心から良いと感じたものを購入するように心がければ、それを作り出した優れた技術を持つ人々を応援することに繋がり、その技術を次世代へと残していくことができるのではないでしょうか。


- まずは、無理なくできることから

そうは言っても、いきなり全ての消費活動をエシカルなものにするのは難しいかもしれません。ファストファッションだって、買ってはいけないわけではありません。

しかし、一人ひとりが少しだけ生産者や生産背景に想いを馳せ、あなたが本当に良いと思ったものは投票の気持ちを込めて購入することで、守れる日本の技術があったり、私たち自身、いつもよりも気持ちの良い買い物が楽しめるのではないでしょうか。

Foo Tokyoでは、各アイテムページに商品の生産背景を詳しく掲載しております。もしよろしければ、ご覧ください。